『私たちのブルース』(原題:우리들의 블루스)第20話では、イ・ドンソクが余命わずかな母カン・オクドンを連れて水没した故郷や雪の漢拏山を巡ります。長年の葛藤をぶつけ合いながらも、オクドンが息子のためにテンジャンチゲを作って静かに息を引き取った後、ドンソクは母の深い愛情に気づき涙の和解を果たします。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作品名 | 私たちのブルース |
| 該当話数 | 第20話(最終回) |
| 放送局 | tvN |
| 出演 | キム・ヘジャ、イ・ビョンホン、シン・ミナ |
| 主な舞台 | 済州島、漢拏山 |
水没した故郷への旅路とおんぶの温もり
最終回の物語は、イ・ドンソクが母カン・オクドンの頼みを聞き入れ、彼女の生まれ故郷であるマダン里へトラックを走らせる場面から始まります。かつて暮らした土地は静かな貯水池の底に沈んでおり、水面を見つめるオクドンは、幼少期に両親を亡くして他人の家で働いた過酷な日々や、19歳で実の兄を失った辛い過去をドンソクに静かに打ち明けます。


母が生きてきた過酷な歳月を初めて知り、ドンソクの胸には複雑な感情が渦巻きます。足場の悪い山道でオクドンがつまずくと、ドンソクはぶっきらぼうな態度を崩して腫れた足首を確かめ、雨が降り出すなかで母を背負い上げます。背中越しに伝わる母の軽さと脆さは、ドンソクが長年胸の奥底に溜め込んできた苛立ちを静かな痛惜へと変えていきます。




トラックの車内でぶつかり合う本音と母の後悔
激しい雨が打ち付けるトラックの車内で、ドンソクは心の奥に押し込めていた長年の恨みを母にぶつけます。少年時代にいじめを受けたときなぜ黙っていたのか、そしてなぜ自分に母親ではなくおばさんと呼ばせ続けたのかを激しく問い詰めます。ドンソクにとって母は世界のすべてだったからこそ、その冷淡な距離感は深い見捨てられ感として傷を残していました。


長年沈黙を貫いてきたオクドンは、絞り出すような自責の念とともに胸の内を明かします。ただ息子を食べさせ、雨風をしのぐ屋根を与えることだけが生き延びさせる唯一の手段だと信じ込み、自分自身の無知さが息子の人生を傷つけたと苦しんでいました。そして自分が息を引き取ったときは悲しむことも葬式を出すこともせず、夫と娘が眠る海に遺灰を撒いてほしいと静かに言い添えます。



木浦の港と夜のフェリーで通い合うぬくもり
木浦の救急室に立ち寄るものの、オクドンが入院を固辞したため、ふたりは済州島へ戻る船便を待つために港へと向かいます。待ち時間の間、ドンソクは母を中華料理店へ連れていき、弱った母が食べやすいようにジャージャー麺の麺をハサミで丁寧に切り分けてあげます。



済州へと向かう夜の旅客船で、ドンソクは息で曇らせた窓ガラスにハングルを書き始めます。自分の名前、家族の名前、そして最後にカン・オクドンと文字をなぞります。文字を読めなかった母が、窓に書かれた自分の名前を穏やかな表情で見つめる時間は、長年の断絶を静かに埋めていくひとときとなります。


ふたりが着用していた防寒着や機能的な重ね着のポイントは、『私たちのブルース』第20話の衣装解説で詳しく整理しています。
雪の漢拏山と山頂の景色を届ける約束
済州島に戻ったオクドンは、生涯のほとんどをこの島で暮らしながら一度も登ったことのなかった漢拏山・白鹿潭を見に行きたいと願い出ます。冬用の防寒着と登山ストックを手に、ふたりは雪に覆われた山道へ足を踏み入れます。


休憩所でドンソクから人生でいつが一番幸せだったかと尋ねられたオクドンは、迷うことなく息子と漢拏山を歩いている今この瞬間だと答えます。体力の限界と悪化する天候を心配したドンソクは、母を安全な休憩所に休ませ、ひとりで雪の尾根を駆け上がって山頂の景色をスマートフォンで撮影します。そして涙をこらえながら、春になったら必ずまた一緒に来ようと画面越しに約束を交わします。


下山したドンソクは、ミン・ソナとその幼い息子をオクドンに引き合わせます。息子の傍らに心優しい人が寄り添っている姿を目にし、オクドンの表情には心からの安らぎが広がります。
残されたテンジャンチゲとプルン村の再出発
翌朝、オクドンは早起きして庭の犬たちに餌を与え、息子のために好物のテンジャンチゲと炊きたてのご飯を用意したあと、静かに横になります。
食卓に並ぶ美味しそうな朝食を見つけたドンソクは、声をかけながら布団に手を伸ばしますが、触れた母の体は冷たくなっていました。オクドンは息子のために最後の温かい食事を遺し、眠るように息を引き取っていました。物言わぬ母を固く抱きしめたドンソクは、自分がこれまで抱いてきた怒りや悔しさが、本当は母を抱きしめて和解したかったという切ない願いの裏返しだったのだと悟り、大粒の涙を流します。
葬儀を終えたあと、舞台は再び活気あふれるプルン村へと戻ります。ドンソクは再び配達トラックに乗り込み、小学校で開催された地域の運動会で友人や近所の人たちと笑顔で声援を送り合います。失った悲しみを胸に抱きながらも、前に進み続ける人々の姿を描き出してドラマは幕を閉じます。
家族や人間関係の深い再生を描いた作品の結末については、『サムダルリへようこそ』第16話最終回のあらすじ解説や『マイ・ディア・ミスター』第16話最終回のあらすじ解説でも振り返っています。
よくある質問
『私たちのブルース』第20話の結末でカン・オクドンはどうなりますか?
ドンソクとの漢拏山旅行から戻った翌朝、庭の犬に餌を与えて息子の好物であるテンジャンチゲと炊きたてのご飯を用意したあと、自宅の布団の中で眠るように静かに息を引き取ります。
カン・オクドンが亡くなる前に漢拏山へ行きたがった理由は何ですか?
人生の大部分を済州島で暮らしながらも一度も白鹿潭の頂を見たことがなく、残されたわずかな時間の中で息子と一緒にゆったりとした旅路を分かち合いたかったためです。
母の死を知ったイ・ドンソクはどのような反応を見せましたか?
冷たくなった母の体を抱きしめて号泣し、これまで抱いてきた長年の恨みや怒りの本質は、ただ母を抱きしめて仲直りしたかったという切ない願いだったことに気づきます。
最終回のラストでプルン村の住民たちはどのように描かれますか?
オクドンの葬儀を終えた後、村の住民たちが小学校の運動会に集まり、配達トラックに戻ったドンソクも加わって賑やかに声援を送り合いながら日常の一歩を踏み出します。